大家の想い 玉川ビル

The landlord's voice

玉川ビルではなく、玉川長屋…が正解かも

長屋って、今の若い方はご存じないかもしれませんね。昔の日本によくあった、ご近所一体がまるで一つの家族みたいになった集合住宅。玉川ビルは、その名の通り7階建ての大きめのマンションビルなのですが、不思議と建物内には、そんな雰囲気が漂っています。エントランスで会えば必ず言葉を交わしますし、入居者さんが事務所を訪れてくれることも度々!子育ての相談を受けることも日常茶飯事で、お子さんのいる家庭には毎年クリスマスケーキをプレゼントしています。
1階にカレー屋さんが入ることが決まった時は内装工事も手伝いましたね。その時は、私だけでなくDIY好きの入居者さん達もたくさん協力してくれて、約2ヶ月もの間、みんなで壁を塗って、床を貼って、家具を組み立てて…おかげで「わたしたちのお店」という雰囲気で、かなり愛着があります。その時関わってくれた入居者さん達も、オーナーさんとすっかり仲良しで、よく利用してくれてるみたいです。
ちなみに1階のカレー屋さんも、元・玉川ビルの住人です。テナントが空いた時、「自分が独立するなら、このビルがいい」って言ってくれて。こんなふうに、入居者OBともつながりが続くほどのあったかいコミュニティが、玉川ビルの最大の魅力かな。結婚や転職で退去した後も、連絡をくれる人が多いです。

カレー祭りに玉川ポリス
全部、入居者の声から生まれた!

そういえば、1階のカレー屋さんは玉川ビルに住んでいたサラリーマン時代から、カレー名人として住民の間で評判でした。そこで入居者を中心に「カレーのお祭りをしよう!」って声があがって、プロ・アマ問わず5名のカレー名人を集めて、当時空いていた広い1階テナントでカレー祭りを開催しました。入居者の一人にデザイナーがいて、立派なポスターまで作って告知してくれて。あまりに好評だったものだから、第二回目も開催しました!
また、入居者の女の子から男性につきまとわれてるって相談を受けたことがあって…その時は、なんと入居者の力で「玉川ポリス」というグループラインが誕生!彼女がそこに書き込めば、ライン仲間のだれかが様子を見に行くというシステムが、自然とできあがりました。そのおかげか、結局何事もなくすみました。
思えば、この長屋みたいな雰囲気は、私の父が作ったものかもしれません。先代の大家だった父は本当に世話好きで、入居者さんのためにまめに働いていました。私もそんな父の背中を見ているものですから、玉川ビルには並々ならぬ想いがあります。時代はずいぶん変わりましたので、うるさがられないようにとそれなりの注意を払っていますが、いい意味での長屋らしさは残していきたい。父が残してくれたビルと、入居者の皆さんが心地よく過ごせるコミュニティを、これからも全力で守っていきたいと思います。

物件情報

住 所 福岡市南区清水町1-24-18
アクセス 西鉄バス「清水町」バス停から徒歩1分
築年数 昭和43年11月(1968年)
お部屋 7階建て/1DK・2DK・2LDK/35㎡〜53㎡
電 話 092-551-2323